離婚する前に考えておくことは?
- 夫婦仲が微妙で離婚が頭をよぎる
- 離婚しようかしないかよく分からない状態
- 離婚したらどうなる?
と、離婚に対してフワフワした気持ちのとき
離婚したらどうなるのか?についてまとめた記事です。
本当は離婚したくないけど、何か離婚するかもしれない雰囲気のときに読んでください。
もくじ
離婚する前に「本当に離婚でいいのか?」を考える
夫婦喧嘩や争いが続いていると、「離婚や別れ」を考える。
そんなときには
「一日も早く別れたい」
「もう顔を見るのもイヤ」
という気持ちが湧き上がってくるものです。
そうしたネガティブな気分のとき「別れることが正解」と考えがちですが、早まって離婚を決める前に考えておきたいポイントを紹介していきます。
相手は本当に悪いのか?
夫(妻)が嫌と思い始めると、パートナーのやる事なす事がすべて不愉快に感じることがあります。
なかには許せないほど嫌と感じることもあるでしょうが、相手が100%悪いというケースはごくごく少数。
別れたいと考えるあまりパートナーのすべてを否定しがち、
一度冷静な気持ちに立ちかえって判断する方がいいかもしれませんね。
ネガティブにならない
一度離婚を考えた場合、何事もネガティブに捉えてしまうことが多い。
「こんな妻と暮らしていたら幸せになれない」
「こんな夫はぜったいに信頼できない」
とネガティブが先行していないでしょうか?
すべてをネガティブに捉えるよりも、客観的に公平な気持ちになってパートナーを見る必要がありそうです。
離婚の事ばかり考えない
「離婚・離婚…」と頭の中は夫(妻)と別れる事ばかりになると、冷静な判断力がなくなります。
別れて幸せになれるという夫婦もいますが、離婚して不幸になっている夫婦もたくさん存在しています。
自分たち夫婦はどのようなタイプなのか、自分の幸せはどこにあるのか、心を澄ませて偏見なしに判断してみてはいかがでしょうか。
周囲の人の事を考えよう
離婚は夫婦ふたりだけの問題と考えるのは間違い!
子供、両親、兄弟、姉妹、親族、友達、仲間
というように、人間の関係は複雑につながっているもので、離婚によってその関係が破綻してしまう事もあるのです。
周囲の人たちのために離婚を思い止まる必要はありませんが、逆に自分たち二人のことばかり考えるのでは幸せに生きていくことはできません。
結論はゆっくり出す
最終的には離婚ということになったとしても、夫婦の間で結論を急いで出す必要はありません。
後悔しないためにも
仕事・子供・人間関係・お金・老後といったすべての要素を考慮したうえで、ゆっくり二人で話し合って結論を出すようにしましょう。
離婚した場合のメリットとデメリット
「離婚して別れたら新しいハッピーな人生が始まる」
「いや、離婚して別れてみると前の生活が恋しくなる」
離婚に関しては人によって考え方はいろいろでしょうが、実際のところ別れて得する事・損する事とはどんな点なのでしょうか?
離婚するメリット
夫婦が離婚して別れた場合、個々のケースにもよりますが次のような「メリット」があると考えられます。
- 性格の合わない夫(妻)といっしょに生活しなくて済む
- 独身に戻って自由に暮らせる、自分の思う通りに生活できる
- 離婚すれば独身なのだから恋愛も自由にすることができる
- 夫(妻)の両親や兄弟姉妹、親族に気を使わなくていい
- 正式に別れたら夫(妻)を扶養する義務がなくなる
- 自分で稼いだ金は自分の好きな方法で自由に使える
離婚して夫(妻)と別れた人の多くは上記のような「メリット」項目を挙げています。
上記のような要素を「メリット」と考えるかどうかは人それぞれですが、これを「メリット」と感じるのなら別れてよかったということになるのかもしれません。
離婚するデメリット
一方、夫婦が離婚して別れた場合、「デメリット」と感じる項目としては次のようなものが挙げられます。
夫(男性)側の場合
- 仕事が上手くいかなくなる(家事をする妻がいなくなった)
- 生活がスムーズにいかなくなる(妻のサポートがなくなった)
- 勤務先での評判が落ちる(離婚したことで色眼鏡で見られた)
- ひとり親になって育児に困る(離婚後に子供を引き取った)
- 育児手当の支払いが家計に負担となる(妻が子供を引き取った)
妻(女性)側の場合
- 仕事を見つけることができない(専業主婦だった妻)
- 仕事と子育てが両立できない(離婚後に子供を引き取った)
- 家族に文句を言われる(両親や兄弟姉妹が離婚をネガティブに考えている)
- 生活費が足りない(夫の収入や貯金に頼れなくなった)
- 周囲の人間の眼が気になる(離婚女性だという色眼鏡で見られた)
離婚のメリットとデメリットのバランス
夫婦が離婚して別れたとしても、すべてが「メリット」や「デメリット」になるというわけではありません。
別れによるプラスの部分とマイナスの部分は必ず存在しており、それをどのように受け取るかは本人の考え方次第です。
しかし、ここで忘れてはいけないのは
「離婚で100%得する」というケースはほとんどないということ。
離婚を意識したら知っておきたい!別れで困る5つの事とは
離婚して夫(妻)と別れても困る事などない、と考える人もいるかもしれません。
しかし、現実には離婚して別れてから困っている人も少なくないのです。
ここでは、別れる前には想像することが難しい「離婚・別れで困る事」を紹介していきます。
困る事1・住む場所に困る
ごくごく普通に夫婦として生活しているときには気付かない「別れて困る事」の筆頭が住まいの問題です。
夫婦は当然のことながら住宅やアパート、マンションなどに同居しています。
もし別れるということになれば、夫(妻)のどちらかが住まいを出て行かなければなりません。
実家が快く受け入れてくれるのなら問題はありませんが、当節ではそんな都合のよい話にならないのは周知のとおりです。
困る事2・お金に困る
離婚して夫婦別れしてしまっても、使い切れないほどの財産があるという場合は別です。
しかし、ごく一般的な家庭であれば財産は夫婦で半分ずつ分けることになりますから、貯金額は別れる前の2分の1になってしまいます。
妻が扶養家族であったのなら会社から貰える扶養手当なども付かなくなりますし、共稼ぎであったのなら収入も減少してしまうわけです。
一方、妻側から見ても離婚後は独立して稼ぐ必要がありますからお金に困るというケースも増えてきます。
困る事3・仕事で困る
仕事を持つ男性(女性)の場合、離婚したとなると会社での立場に差し支えることがあります。
職場で離婚原因をあれこれ噂されたり、性格や生活態度に問題があったのではないかと痛くもない腹を探られるケースも見られるようです。
仕事を持っていなかった妻の場合、新たな職を探そうとしても求人難という障壁が立ちはだかるケースも見られ仕事探しで困ることもあるでしょう。
困る事4・世間体で困る
夫婦が離婚したとなると、職場以外でもあれこれ騒がしくなることがあります。
たとえば近所の住人から悪質な噂を流されたリ、親族が口を出してきたりするケースも見られます。
すべてを無視する度量があればいいのですが、真面目な人ほど周囲の騒音に神経質になってしまうようです。
困る事5・子供で困る
子供のいる夫婦の場合、離婚や別れでは頭を悩ます事が多いようです。
親権(子供をどちらが引き取るか)だけでなく、子供との面会はどうするのか、養育費はどのくらい払うのか、子供の教育に口を出せるのかなどといった問題でも困っている元・夫婦がたくさんいます。
離婚は夫婦だけの問題ではありませんから、別れを考える前にしっかりと考慮しておく必要があるでしょう。
離婚と子供の養育費について
昔から「子はかすがい」という言葉がよく使われます。
これは夫婦仲の悪いカップルであっても、子供のことを考えるとなかなか別れることはできないという意味です。
「かすがい(鎹)」とは、家などを建てるときに木材同士をつなぐための釘を指し、子供の存在が夫婦をつなぐということを表わしています。
しかし、もし夫婦が離婚するという場合には、その「かすがい」である子供の養育費の問題が発生するわけです。
子供の養育費とは
夫婦仲が悪化して離婚するとなると、もう相手の顔を見るのもイヤになって「夫(妻)には1円も払いたくない」と考えてしまうかもしれません。
かりに配偶者に対して強い怒りや不満があっても、子供に対しては親としてしっかりしたサポートを行なう義務があります。
ここで必要になってくるのが、離婚しても支払うべき「子供の養育費」です。
子供の「養育費」とは、未成熟の子供を養育する(養い育てる)ために必要な費用を指しています。
養育費は何歳まで払うべきか
離婚後の子供の養育費に関しては、「子供が○○歳になるまで支払う」という明確な決まりはありません。
一般的には「子供が学校を卒業して社会人になるまで」または「子供が成人するまで」が目安で、高卒であれば18歳まで、短大や大学へ進学すれば20~22歳までということになるでしょう。
もちろん、これはケース・バイ・ケースであり、中学を卒業して就職した場合、専門学校に進学した場合、大学院に進学した場合、大学浪人や留年した場合はどうなるかなどは個々の例によって異なってきます。
学校を卒業して就職するまでというと、養育費と学費は別なのかと思う人もいるかもしれませんが、特に分ける必要がある場合を除いて「養育費」として一括で支払うと考えればいいと思います。
いずれにせよ、子供が自立して生活できるまで支払うのが「養育費」ということになります。
養育費の計算方法
子供の養育費の計算方法には次のような種類があります。
- 実費方式…子供の養育に必要な実費を基準に計算する
- 標準生活方式…標準世帯の家計費を基本に計算する
- 生活保護方式…生活保護基準額をもとに計算する
ただし、夫(妻)の生活力や資産規模によって養育費の額は変わってきますので、すべてのケースで上記の計算方法が当てはまるとはいえないようです。
夫(妻)の負担額の割合は、「収入の比率」・「生活の余力度」・「生活レベル」によって決められるケースが一般的です。
つまり、夫婦が離婚したとしても、その資産や収入に応じて子供の養育費は負担する義務があるということになります。
離婚したら夫婦の財産はどうなるの
昔から「夫婦は一心同体」といいますが、お金の問題に関しても同じ事がいえるかもしれません。
よほどビジネスライクに夫婦の財産を分けているなら別ですが、食費や光熱費を半分ずつ負担したり子供の教育費を半分ずつ出したりするのは面倒なものです。
そのため、いくらシビアに夫婦のお金を分けようとしても、長い月日のうちには何となく「なあなあ」になっていくことが多いのです。
このようにハッキリ分けにくい夫婦の財産ですから、いざ別れる、離婚するとなると、どのように分割するかは大きな問題となってきます。
離婚と夫婦の財産分与
夫婦が別れて離婚することになると、「財産分与」というものが行なわれます。
「財産分与」とは文字通り夫婦の財産を分け与えるという意味で、夫(妻)が相手に対して財産の取り分を請求することにより、もう一方が分与するという形になっています。
この「財産分与」の方法には、次のようなものがあります。
- 協議…夫婦二人で話し合って分与の方法や金額を決める
- 調停…家庭裁判所に申し立てを行ない調停で決める
- 審判…調停で決まらなかった場合は裁判官が決める
つまり、夫婦二人で財産の分け方について話し合って決めるのが第一段階であるものの、そこで決めることができなければ家裁に行くことになるというわけです。
家裁での財産分与の調停には大きな費用は掛かりませんが、わずらわしいことになるのは言うまでもないでしょう。
当然ながら夫婦二人で話し合いをしたとしてもスムーズに決まるというわけでもありませんので、離婚に関する夫婦の財産分与はたいがい揉めるということになります。
財産分与の分け方とは
離婚によって夫婦が別れる場合、共有する財産は財産分与する(二人で分ける)ことになります。
ただし、この分け方や夫(妻)が受け取る割合についてはハッキリした決まりはありません。
では基本的な財産分与の割合はどうかというと、「夫と妻が2分の1ずつ(半分ずつ)」というのが一般的です。
ただし、そこには細かい決まりがあって、すべてが2分1ずつになるとは限らないのです。
たとえば妻が専業主婦で仕事を持っていないケースでは、財産分与での妻の取り分は3分の1程度になることもあります。
また、自営業などで夫婦共働きをしているケースでも、夫の能力や努力によって事業が成り立っているというような場合は、妻の取り分は2分1以下になる例も見られます。
言い換えると「離婚しさえすれば財産の半分がもらえる」と決まっているわけではなく、すべてがケース・バイ・ケースということになるわけです。
夫婦の離婚と財産分与の問題
夫婦が離婚したとなると、問題となるのが「二人の財産の分け方」です。
よくあるのは「夫婦で財産を等分に分ける」という方法ですが、離婚になるまでに喧嘩や諍いが起こってしまっている場合は財産の分け方でも揉めるケースが多くなります。
いわば「夫婦が別れる」という状態は、お互いがもう生活を共にできないと感じているということですから愛情も冷めてしまっているわけで、その二人がスムーズに「仲良く財産を半分ずつ分けよう」などということにならないのは、容易に想像できることでしょう。
夫婦の財産は誰のものか
夫婦の財産は夫婦のものですが、いざ別れるとなると「どちらのものか?」ということで揉めてしまうようです。
財産を二人で分けるにしても、「これは俺の物だ」「これは私が実家から持ってきたものよ」などという考え方もあるわけで明確に何をどのように分けるかは難しいところです。
次に一般的に考えられる「財産分与の対象となる夫婦の財産」について見ていきましょう。
財産分与の対象となるもの
- 現金、預金
金額がハッキリしており、比較的分けやすい財産です。
ただし、夫(妻)が自分の親から相続して得たお金や、結婚前に自分で貯めた預貯金などは財産分与の対象とならないこともあります。 - 土地、建物
不動産の金額は固定資産税評価額、路線価、公示価格、基準値価格、購入時の金額、現在の推定相場など多数の目安がありますが、明確な金額を決めるのは難しいため、揉めやすい財産です。
いざとなれば売却して現金にし、それを分けるしかないでしょう。
ただし、夫(妻)が自分の親から相続して得た家や、結婚前に自分のお金で建てた家などは財産分与の対象とならないことがあります。 - 家財道具、自家用車など
これも現金預金や土地建物と同様、夫婦二人で得たものであれば財産分与の対象となります。
とはいえ家具や車などは分けにくいものですから、お互いに何らかの妥協が必要となるでしょう。 - 生命保険金など
保険料の支払いが済んでいて満期になっている生命保険であれば、財産分与の対象となります。
これは受取人がどちらであっても違いはありません。
しかし、保険金の支払い途中であれば財産分与の対象とならないケースが大半です。 - 退職金、年金など
退職金や年金などは離婚の際の財産分与の対象となります。
ただし、離婚するのがどの時点であるかによってケース・バイ・ケースという例もあります。
たとえば、退職金の例でいうと離婚時が退職間近であれば対象とならないこともあるようです。
年金に関しても離婚時に支給が確定していなければ、対象外となる例もあります。
夫婦の離婚時の財産分与に関しては、ハッキリした決まりがないというのが実情です。
離婚後の生活などを考えるに当たっては、安易に「これぐらいは自分のものになるだろう」と目算しているとアテが外れることもあるので注意が必要です。
離婚したら慰謝料はいくら?
「離婚」というと「慰謝料」をイメージするという人も少なくないかもしれません。
この「慰謝料」とは何らかの理由によって精神的な損害などが生じたときに発生する損害賠償金のことを指します。
よくメディアでは芸能人の離婚に関する「慰謝料」が話題になり、○○千万円といった大きな単位の金額が取り沙汰されているようです。
では、一般人の夫婦が離婚して別れた場合にはどの程度の「慰謝料」が期待できるのでしょうか?
慰謝料の相場とは
実際問題として「離婚したらいくら慰謝料がもらえるのか」という点に興味がある人は多いでしょう。
一般的に、慰謝料の相場は300~400万円程度といわれています。
ただし、よくいわれる「慰謝料の金額=同居年数×60万円」という数式には何の根拠もないということは知っておいたほうがいいかもしれません。
もちろん慰謝料の金額が一般的にいくらであろうと、離婚の理由や夫婦双方の事情によっては「慰謝料=ゼロ円」というケースもあるわけで、すべての離婚で慰謝料が発生するとは限らないのです。
慰謝料がもらえるケース
上記で「慰謝料は精神的な苦痛などに対する損害賠償金」であるということを説明しました。
次に、どのような精神的苦痛があった場合に慰謝料が発生するかを挙げてみましょう。
- 夫(妻)の浮気、不倫
- 夫(妻)の肉体的暴力、精神的暴力
- 夫婦生活の破綻(生活費、家に帰らない、セックスレス)等々
このようなケースでは苦痛を受けたほうが慰謝料をもらえる可能性があります。
慰謝料がもらえないケース
一方、次のようなケースでは慰謝料は発生しません。
- 夫婦の性格の不一致
- 夫婦双方に責任がある
- 夫婦生活の破綻後の浮気や不倫 等々
つまり夫婦の性格が不一致であったり、夫婦双方に離婚原因がある、事実上夫婦関係が破綻したあとに浮気をしたという場合は片方のみが精神的苦痛を受けたとは判断されないということになるわけです。
慰謝料を期待して離婚すると…
もし、夫(妻)に非があって離婚するとなると、配偶者は夫(妻)に対して慰謝料を請求することができます。
しかし、「慰謝料=お金」であっても、配偶者に財産(貯金)がなければ慰謝料をいくら要求しても支払ってもらうことはできません。
いわゆる「無い袖は振れない(無いものは払えない)」というわけで、結果的に慰謝料も低く押さえられて300万円が相場のところが100万円ということになるかもしれません。
さらに夫(妻)が開き直って「ぜったいに払わない」となったり、支払いをせずに姿をくらましてしまうという例もあるので慰謝料を受け取れないこともあるのです。
夫婦は離婚しても扶養義務がある
「夫婦が離婚しても相手に対して扶養義務がある」と聞くと驚く人もいるかもしれません。
なぜなら、夫婦であっても離婚して別れてしまえば他人と思っている人が多いからです。
ところがケースによっては離婚しても元の夫(妻)を扶養しなければならない場合もあるのです。
離婚したはずでも扶養義務あり?
離婚して別れたのなら夫婦でも他人と考えている人は多いでしょう。
しかし、夫婦の離婚に関しては「扶養的財産分与」という考え方があり、単純に二人の財産を50%ずつ分ければいいというわけでもないのです。
この「扶養的財産分与」というのは、夫(妻)が離婚後に自立して生活ができないようなケースではもう一方が扶養しなければならない義務があるという意味になります。
このケースの例としては、次のような物が挙げられます。
- 配偶者が高齢で一人で自立することが難しい
- 配偶者が病気で生活費を自分で得ることができない
- 配偶者が専業主婦(主夫)で仕事を見つけるのが難しい
- 配偶者が子供を引き取った場合、監護費用が必要となる
(※監護…監督し保護すること)
いわば「別れた夫婦でも責任がある」という考え方をするのがこの離婚にまつわる扶養義務といえます。
どのように扶養すればいいのか
ここまで、離婚後の配偶者が病気や高齢などであった場合、別れても扶養義務があるという説明をしてきました。
一般的に扶養というと「月々の生活費を送る」という意味になりますが、離婚に関連した扶養義務では必ずしもそうなるとは限りません。
たとえば、離婚に際して相手の今後の生活を配慮して財産分与の金額を多くするというのも扶養の範囲に入っています。
本来なら50%ずつ財産を分けるところを、相手の生活を考えて割合を高くするというのも扶養するということになります。
もちろん、いっぺんに多額の財産を分けるのではなく、文字通り月々生活費を送るという方法を取っても構いません。
いずれにせよ配偶者が困窮するというのが分かっていれば、もう一方の配偶者は何らかの策を講じなければならないということになるわけです。
離婚しても夫婦であった事実は残る
夫(妻)に嫌気がさしたから一刻も早く離婚して赤の他人になりたい…、と思ったとしても夫婦だったという事実はやはり残ります。
扶養義務はその一例であり、そう簡単に「赤の他人」にはなれないということかもしれません。
上手くいかない夫婦であれば「早く別れてスッキリ」を望むのかもしれませんが、お互いの将来のことを考えてじっくり話し合いをしたのちに、結論を出す必要があるでしょう。